子育て

子どもに言語を学ばせる時に考えること。帰国子女にデメリットってあるの?

2023年8月4日

子どもに英語を含め、日本語以外の外国語をマスターして欲しいと思う親・子どもは多いと思います。
私自身も2カ国の留学(高校生:オーストラリア、大学:フランス)をし、また義母・夫・息子が帰国子女という3世代帰国子女が続く家庭の中で気づいたことをまとめました。

 

幼少期から英語(外国語)を取り入れたがる家庭の傾向

 

幼児教育、つまり子どもがまだ小さいうちから英語なり外国語を学ばせようとする親にはある傾向があります。

ズバリ、その親が英語(外国語)を話せないことが多いのです。実際私の親もそうでした。
自分も学生の時に何年と英語を勉強してきているにも関わらず、コミュニケーションが取れない。そして取れないことを少なからず後悔し、話せる人に憧れを持っています。

だからこそ自分の子どもには英語を話せるようになって欲しい。特に時代はグローバリゼーション。英語を話せないのは良くない!と考え、なるべく早く子どもに教育を受けさせてあげたいと思うのです。
もちろん全ての親がそうだとは言いませんが、その傾向が強いです。

反対に親が話せる家庭だと、自分が英語を話せ、話せないことに対して苦労していません。(もっと言えば、英語を理解できない環境を思い出せなくなっています。)

よって自分と同じように学べば、話せるようになることを経験として知っているので、幼児教育(早い段階から)の必要性をそこまで感じていません。むしろ小さい頃にやってもすぐに忘れてしまうと達観し、ある程度の年齢がいってから学べば良いと思っている親も少なくありません。

実際、夫は産まれがベルギーでフランス語圏の都市で育ったため5歳まで日本語・フランス語を話していました。現地の幼稚園にも行き、フランス語で問題なくコミュニケーションを取れていたそうです。しかし、残念ながら今じゃ全く話せません。そして義理の姉は9歳までいたため、ペラペラ・・・だったはずですが日本に帰国後1ヶ月後にベルギーの友人から国際電話がかかってきたとき、友達の話していることは理解できていたそうですが、1ヶ月全くフランス語に触れていなかったため自分で話せなくなっていたようです。そして今では大学で第二ヶ国語として勉強したためその時の知識はあるようですが、子どもの時の学習は残念ながら残っていないようです。どうやって言語を学ぶ・帰国子女の方の場合はキープしたら良いのでしょう。

 

言語を学ぶ際に大切なこと

言語を学ぶ&キープする際に大切なことは、やはり本人のモチベーションです。

言語習得には莫大な時間を費やすことになります。一般的にある程度、会話が出来るようになるには1000時間の学習が必要だと言われています。
親がいくら頑張ったところで、子どもにその気がなければ続かないのです。そして無理にやらせればやらせるほど、その言語に対して嫌悪感を抱くようになり、自ら勉強しないばかりか遠ざけるようになってしまうのです。

モチベーションを保つには人によって、何がモチベーションになるかは異なるとは思いますが、やはり楽しみを見いだすことだと思います。

私の親は例外なく英語が話せない親で、私は幼稚園の頃から英語を学ぶスクールに通っていました。
普段は日本人の先生から学ぶだけでしたが、あるテーマパークに行った際に金髪の外国人の人に話しかけてみました。「Hello!私の名前はAyanoで年齢は8歳なのよ。」と言っただけだったかと思いますが、伝わったことが嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。(今思うとその方が英語圏の方かどうかも定かではありませんが、簡単な会話だったため付き合ってくれました)正直幼稚園・小学生で学んだ英語は後から思えば文法も何も全く理解していなかったのですが、それでも英語に対して常にいいイメージを持ち、いつかは使いたい、ペラペラ話してみたいと強く思った子ども時代でした。その思いが中学生になっても消えず、オーストラリアに留学したのも根本を正せば、英語を話せるようになりたい、たくさんの人と自分の言葉で繋がりたい!という気持ちからだったと思います。

 

帰国子女にデメリットってあるの??アイデンティティを考える(母国語があることの強み)

最後に帰国子女の実態について書こうと思います。帰国子女と一言に言っても海外で産まれて数年海外で育った子と、中学生・高校生の頃海外で暮らした帰国子女は環境は全くと言っていいほど異なります。ただ今日は細かい事に触れず、帰国子女のメリット・デメリットについて説明したいと思います。

帰国子女のメリットは言わずもがな、外国語でコミュニケーションを取れる、発音がネイティブのように綺麗で、国際感覚に優れ、日本人とは異なる価値観を持っている事だと思います。

しかしその全てがデメリットになることもあるのです。

  • 外国語でコミュニケーションを取れる → 日本語が苦手、話せないこともある。通常の会話は問題なくても、敬語を話せない場合も。※外国語の学習時間は日本語の学習時間になるのです。帰国子女の場合は、日本語を覚えることが苦労することであり、私達が英語を学ぶ際に感じる壁は言語は違えど皆避けては通れない壁のようです。
  • 発音がネイティブのように綺麗 → 日本語の発音がネイティブでないこともある。両親が日本人の場合、容姿は日本人なのに、なぜ話せない?という目で見られることが多々ある。
  • 国際感覚に優れ、日本人とは異なる価値観を持っている → 個人的にはデメリットと言えない場合もあると思いますが、日本の感覚は日本独特のものも多く、自分の価値観と周りの日本人との価値観の違いに苦しむ帰国子女の方もいます。

ここで大切なのは、アイデンティティだと思うのです。

その人自身が日本人としてアイデンティティを強く持ち生きていくのか、それとも他の国のアイデンティティを持って生きていくのかです。
母国語がとても大切になります。

私は100%ネイティブと言える母国語があって初めて他の言語(文化)を学ぶとプラスαになると信じています。
ここで気をつけて欲しいのが、2つ以上言語ができても、どの言語も90%出来るよりも、1つが100%(母国語)、もう1方が60%でもいいと思うのです。

というのも、先ほど述べたように日本人であれば大人になって社会に出た際に敬語を使う場面に多く遭遇します。
その際に敬語を話せないと、敬語を話せない事によってその人のことを正当に評価してくれない、扱ってくれないという場面に遭遇することもあると思うのです。
例えば外国人の方がうまく敬語を話せなくても、私たちは許してしまうし、敬語を話すこと自体を求めないかもしれません。でも日本人として一緒に仕事していたら、やはり求めてしまうのです。反対にその方が日本人としてではなく、別の言語のネイティブだとしたらその言語ではビジネスでも問題ないですし、日本語が出来ることが常にプラスになります。

母国語があれば、他の言語ができることが常にプラスです。でも母国語がないと、中途半端になってしまうのです。

アイデンティティという意味でも、自分・お子さんが何人として生きていくのか、大切な視点だと思います。

ぜひ一度考えてみてください。

ちなみに、母国語がどれだろうと迷う方は、数字を数える時にどの言語で数えるか思い出してみてください。
数字を数える時は母国語になるようですよ。特に大きな数字など、普段聞きなれない桁数のものを考えると分かりやすいそうです。

まとめ

幼児教育から英語(外国語)を取り入れたがる家庭は、親が出来ない場合が多い。

言語を学ぶ際に大切なことは、モチベーションを保つこと。そしてそれをいかにキープするか。子ども自身が楽しめないと続かない。

帰国子女は日本語学習に苦労することが多い。また価値観の違いに悩むこともある。

 

帰国子女も日本国内でずっと育つ子どももどちらがいいとは言えないと思うのです。どちらにも良さがあります。
日本国内でずっと育っても外国語を学習し、将来世界で活躍する人材になれます。日本人の良さもたくさんあるのでぜひ今一度見つめ直して欲しいのです。

帰国子女という経験を出来る方も、ぜひ帰国子女の体験を最大限に活かしてください。日本を客観的に見るまたとない機会です。日本人の良さも改善すべきところもぜひたくさん感じてください!

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