私は高校1年生の時オーストラリアに1年間、大学3年生の時フランスに8ヶ月間、2度海外留学をしました。
高校生と大学生の時に行く留学に違いはあるのでしょうか?またオーストラリア、フランスの留学で得たものに違いはあったのでしょうか。個人的な経験・考察から高校生・大学生の時に行く留学、国別の違いについてまとめてみました。
それぞれの留学の”状況”と”得たもの”について分けて書いているので、学生生活を知りたい方は状況も読んでいただけるとどんな学生生活なのか想像しやすいと思います。
目次
高校生の時の留学 in オーストラリア の状況
高校生の時のオーストラリアの留学は交換留学(現地の高校に通う)&ホームステイでした。
〜学校編〜
周りの生徒は全員オーストラリア人(みんな英語が母国語)の中に1人混じって授業を受けました。最初は英語が分からず、授業が理解できない、周りに友達がいないことが辛かったのを覚えています。初めは心細いですが、どこにでも日本人・外国人に興味を持ってくれる人はいます。
毎日顔を合わせるうちに仲良くなり、先生が言っていることを簡単な言葉で説明してくれたり、一緒に課題をやることで友情が芽生え、数ヶ月で仲の良い友達と言えるようになりました。友達ができると日本と同様、金曜日からお泊りに行ったり、土日に一緒に遊ぶようになると、毎日学校に行くのが楽しくなります。
私が通っていたオーストラリアの公立学校は英語・数学以外の4科目は全て自由選択制。よって自分の”クラス”と言うものがありません。ホームルームの時間には中学1年生から高校3年生までの学生がごちゃごちゃになった自分のホームルームのクラスがあり、そこで出席を取り、連絡事項があればそこで全体に通知されます。その後1時間目からは自分の選択する科目によって全員授業が異なるので、自分の選択した科目・レベルに毎に学生がそれぞれの部屋に移動します。基本的に教科書は移動した教室に置いてあるので、それを使います。学生は筆記用具・ノートのみ持参する形になります。オーストラリアは基本的に前期・後期で学期が分かれています。新学期が2月(夏)から始まり、クリスマスでその年が終わります。クリスマス・1月は夏季休暇です。飛び級のようなものもあり、日本はオーストラリアと比べ数学が進んでいたため私のような留学生で英語がままならなくても、1つ上の学年の数学を受講していました。
〜ホストファミリーとの生活〜
16歳で初めて親元を離れ、海外で見ず知らずの方のお宅に住まわせていただくため、多少なりとも家でも気を張っていた気がします。しかし言葉が完璧でなくても、心は通うもの。ホストファミリーは私が心細いことを考慮し、たくさん話しかけてくれたり、ホストシスターも一緒に遊んでくれることで気が紛れました。特に一番下のホストシスターは小学校低学年だったため、毎朝好んで見るディズニーチャンネルは私でも分かる内容のものもあり、いつも一緒になってテレビを見ていました。
テレビ番組から見えることとしては、オーストラリア人はDIYにとても興味があるため、ゴールデンのテレビはDIYが多いです。あとはお料理番組やアメリカのドラマもよくやっています。
オーストラリアの家族と一緒に住むことで衣食住の全てからオーストラリアの文化・価値観を知ることが出来ます。
高校生の時の留学 in オーストラリア で得たもの
私が通った公立高校は英語・数学以外の4科目は全て自由選択制。自分が何を勉強したいのかを考え、将来大学に進学するとしたら何が必要なのかを自分で知り、選択する科目を決めること、また自分で決めたことの責任を持つことを体感しました。日本では高校で科目を選択するにしても例えば日本史・世界史・倫理・・・等社会科の科目の中から選択することはあるかもしれませんが全く異なる科目(世界史と化学、家庭科、図工、コンピューター、音楽など)から選択することは珍しいと思います。自分の選択が将来に大きく関わること、また自分の選択に責任を持つことを知りました。
オーストラリアの授業は聞く講義もありますが、日本と比べてディベートや発表の授業もあり、発表の内容・プレゼンの仕方によって成績が決まる授業もあります。よってディベートでは常に自分の意見を持ち、発言することの意味の大切さを知りました。またプレゼンでもどのように自分の意見・考察を伝えるのか発表の仕方を学ぶことが出来たのは貴重な経験になりました。
オーストラリアの国民性は基本的にとても明るく、あまり将来について悲観的な見方をしない方が多い気がします。また歴史が浅いため、過去から学ぶと言うよりも、今の状況を鑑み、どんどん変革していく姿勢を感じます。
大学生の時の留学 in フランス の状況
大学生のフランスでの海外留学は、留学生の学部に入部しました。よって全員フランス語を学ぶ(フランス語を母国語としない)外国人でした。
皆フランス語を第2ヶ国語としているため、難しさを共有することができる点ではお互い分かり合うことが出来ました。ただ世界中から来ているため、所属するグループによって雰囲気は大きく異なった気がします。私のクラスはオランダ、ブラジル、コスタリカ、日本、韓国、アメリカ、スウェーデン、デンマーク等でした。よってフランスの文化を学ぶと同時にその他の国の留学生と交流することによって様々な国の人と文化交流することが出来ました。
留学生の寮もあったのですが、気に入らず・・・自分でアパートを借りて1人暮らししました。初めての1人暮らしを体験でき、ものすごく楽しく過ごせました。
夏期講習は以前大学1年生の時に1ヶ月お世話になったホストファミリー宅でまたお世話になりました。ここでも留学生の学部に入部し、フランス語・文化・歴史を学ぶことを主としていたため、留学生と仲良くなりました。
2回目の海外留学ということもあり、また年齢も以前の16歳から21歳と成長したこともあり正直辛かったという感情は一切なく、ただただ楽しいという日々でした。特に留学生と一緒に毎日勉強していたため、自分だけが授業についていけないという状況でもなかったため余計に劣等感を感じることがなかったのもよかったのかもしれません。また”一人で海外に住む”という経験を既にしていたので戸惑うこともほぼなく、毎日楽しく過ごせました。
留学生のフランス語も様々なレベルがあり、正直仲良くなったスウェーデン人とはフランス語というよりもお互い得意な英語を使ってコミュニケーションを取っていました。その時に”英語ができること”で世界がこんなに広がるんだというのを肌で感じました。
大学生の時の留学 in フランス で得たもの
フランスでの留学は、海外・世界”と言うものをより深く知るきっかけになりました。と言うのも、日本では海外=アメリカ(英語圏)と言う固定観念が強い気がします。第二次世界大戦後の状況を考えると仕方のないことかもしれませんが、海外は何も英語圏だけではありません。また英語圏の価値観が他の他国の価値観と掛け離れていることもあります。そういった意味で、世界には様々な国・人・考え方があることを体感することが出来ました。
またホストファミリー宅でお世話になったことで、フランス人の衣食住をより深く知ることが出来ました。以前ベストセラーになった「フランス人は10着しか服を持たない」に書かれているような事を本当に私も感じました。フランスで生活し、毎日を大切に丁寧に、物を慈しむ心を育てることが出来るようになりました。また伝統を大切にする気持ちや、時間の過ごし方(日曜日は大抵お店が閉まっているため、美術館に行って芸術に触れたり、家で家族で過ごす時間がこんなに大切)についても知ることが出来ました。
2ヶ国の留学経験を経験して 〜まとめ〜
オーストラリアでは、初めての”海外留学”と言うこともあり、欧米の文化・価値観を学び受け入れることができるようになりました。「自分の意見を常に持つこと」、「発言して初めて意味がある」と言うことをは嫌という程体感しました。オーストラリアの留学生活の中で英語の上達はもちろんですが、自分が日本人であること、日本を客観的に見ることが出来るようになったのは大きな収穫だったと思っています。特に自分の意見を持つとは、自分で考えないと意見は出てきません。どんな時も考え、意見を持てるようになったことで、より”アイデンティティ”・自分らしさ”を持てるようになれた気がします。
また10代で親元を離れたことで、精神的にたくましくなりました。困難にぶつかった時に立ち向かえるのは自分自身と言うことを肌で感じました。その結果、自分で道を切り開いていけるようになったと自負しています。
2ヶ国で留学するという経験が出来たからこそ、より世界について考えることが出来たと思います。特に自分の価値観、知識、常識だと思っていたことがとても日本に偏った考え方であると気づけたのは財産だと思っています。こうした気づきが根底にあるからこそ、世界中の人と関わってもいい意味で”他人と自分”を比べることなく自分は自分だと思えるようになったと思っています。反対に自分を持ちつつも、別にいい考えがあるのであれば偏見なく取り入れることが出来るようになったと感じました。
ありきたりですが・・・海外を”旅行する”のと実際に”住んで暮らす”のは大違いです。ぜひ留学で迷っている方がいるのであれば、何事も経験です。ぜひ経験して、経験した人でしか感じ得ない感情や成長を手に入れてください。きっとこれからの人生に役立つこと間違えなしです!!